仕事などで居住地を時々変える必要がある人や、ふるさとに強い愛着を持ちながらも離れた都市で暮らす人など、近年住民と自治体との関係が多様になっています。住民と自治体を従来の「単線」から「複線」的な関係(柔軟な関係)に変えることを目的として、「ふるさと住民票」の仕組みの提案を、8月20日に記者発表を行いました。
記者発表には、共同呼びかけ人の中から、群馬県太田市の清水聖義市長、埼玉県和光市の松本武洋市長、香川県三木町の筒井敏行町長、群馬県下仁田町の吉弘拓生副町長、鳥取県日野町の山口秀樹副町長、元我孫子市長で中央学院大学教授の福嶋浩彦さん、構想日本代表の加藤秀樹の7名が登壇。参加した記者は約40名にも上りました。
以下は参加された方の主な発言です。
●松本 和光市長
和光市には転勤者の多い自衛隊の官舎があるなど人口の流動性が高い。これまでは一時居住の人たちが和光市民という自覚を持つことが出来ないという課題に対する切り口がなかったが、ふるさと住民票はそれを解決する大きな足掛かりになる。
●清水 太田市長
近年、茅ケ崎市で太田市の関係者のオーケストラ演奏がある。茅ヶ崎を第2のふるさとと捉える人もいる。多くの人がそういうところを1つや2つ持っている。自分の関わる地域をもっと広くするような感じを持ってもらうことを考えている。
●筒井 三木町長
三木町には香川大の農学部、医学部、附属病院があり、人口の1割程度の人が昼間働いているが住民登録をしていない。このような人たちにふるさと住民になってもらい、行政に直接反映できるくらいに町の活動に参加してもらいたい。
●山口 日野町副町長
日野町は人口3500人程度だが、夏には祭りがあり普段の倍程度の人が集まる。法令上の住民ではないが、そのような人たちに町の現状を知ってもらい、帰ってきた時には同じようにサービスを提供し、町で計画するときには外の目で参加してもらう。そのような人たちの関わりを深めた町づくりをしていきたい。
●吉弘 下仁田町副町長
ふるさと住民票は、下仁田町のファンを作るための一つの良いきっかけとなる。まず下仁田に関わってもらい、下仁田に来てもらう。たとえば、ふるさと住民票を使い、ふるさと農園というアプリのゲームを作り、参加してもらい、収穫になったら、実際に農産物を届けるような仕組みを考えてみたい。
●福嶋 中央学院大学教授
産む世代の減少を考えれば、出生率の向上も人口減少を止めることが出来ないことは明らかだが、ふるさと住民票の数の増加を目指せば、これにより、協力や思いを持ってくれる人を増やすことが出来る。地方創生の中心である総合戦略にも資する。
●加藤 構想日本代表
今回の取組みの一番の目的は、単線型の自治体-住民の関係を柔軟なものにすること。具体的な活用法は個々の自治体にばらつきが出て構わないと考えている。政府の政策と違い、今回のアプローチは弾力的。それこそが「自治」。
今回の発表をキックオフとして、今後全自治体に呼び掛けていく予定です。皆さんも是非「ふるさと住民」になりましょう!
<共同呼びかけ人>
片山 健也 (北海道ニセコ町長)
高橋 正夫 (北海道本別町長)
菅野 典雄 (福島県飯舘村長)
清水 聖義 (群馬県太田市長)
金井 康行 (群馬県下仁田町長)
松本 武洋 (埼玉県和光市)
景山 享弘 (鳥取県日野町長)
筒井 敏行 (香川県三木町長)
福嶋 浩彦 (中央学院大学教授・元千葉県我孫子市長)
山下 祐介 (首都大学東京准教授)
加藤 秀樹 (構想日本代表)
事務局 構想日本(伊藤、田中、永由)
TEL: 03-5275-5607 FAX: 03-5275-5617 Email: info@kosonippon.org
※配布資料はこちらからご覧いただけます。
(※上記は、構想日本メールマガジン【No.720】「国立競技場計画の見直し、整備計画づくりは公開の会議で」より抜粋)
《記事》
日本経済新聞
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8月25日(火)NHK 「NEWS WEB」 《シェアしたい!》 で取り上げられました。
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