鳥取県琴浦町は、2018年度から「事業レビュー」でお手伝いしている自治体で、今年度「ふるさと住民票®」の導入を検討しています。
琴浦町副町長の山口さんは、同じ鳥取県の日野町が全国で一番最初に「ふるさと住民票®」を始めた時に日野町の副町長をされていました。そういったご縁もあり、琴浦町でもぜひ導入したい、と検討を始めました。
何度か情報交換をする中で、“担当課だけでなく、役場全体で取り組みを一緒に考えていく体制”という話に共感していただき、各担当課から1~2人ずつ参加してもらうワーキンググループ(WG)を立ち上げました。
7月に第1回のWGを行い、琴浦町としてふるさと住民票の取り組みでやれること、やりたいこと、について各課からアイデアを募集しました。
今回は、第2回のWGとして、まず構想日本から「ふるさと住民票®」についてと事例紹介を1時間ほどお話しさせていただき、その後意見交換という流れで行われました。
当初琴浦町にお伺いする予定でしたが、ここ数週間のコロナウイルス感染拡大の状況に鑑みて、急遽オンライン参加となりました。
講演では、1.「ふるさと住民票®」について 2.自己紹介 3.具体的な事例(鹿児島県志布志市「ふるさと住民票×自分ごと化会議」など)をお話ししました。
講演後は、「成功事例、失敗事例とその理由」「ふるさと住民になってくれる人の思いやニーズに気づくためにどんなことをすれば良いか(ふるさと住民とのコミュニケーションの取り方)」「ふるさと住民が多いのと少ないのとではメリット、デメリットはあるか」などいくつかご質問をいただき、私自身もとても勉強になりました。
後半は、各課から寄せられたアイデアの紹介や、他にどんなことが考えられるか、などについて意見交換をしました。
山口副町長からは、
●(志布志市のような)地元の人たちとふるさと住民の意見交換をぜひやりたい
●これまで行政サービスという観点で進めてきたが、限界を感じていた。サービス提供合戦ではない琴浦ならではの取り組みを考えていきたい
●どういう人たちに琴浦に関わってほしいかということもあわせて考えていきたい
●いろんな意見を集めて琴浦らしい制度をつくっていきたい
というお話がありました。
新しく取り組みを始める自治体は、前例が多いだけに迷う部分もあると思います。大事なのは、行政として自分たちのまちをどうしていきたいか、そのために関係人口の人たちにどう関わってもらいたいか・どんなことを一緒にやりたいか、など軸となることをまず決めること。ふるさと住民を増やしていく中で、行政としてできること、やってみたいことはたくさん出てきます。それらを実現するためのお手伝いを、構想日本はこれからも心をこめて一生懸命いたします。
今回の意見交換の中で、構想日本がふるさと住民票を取組む上で特にポイントと考え、お伝えしたことを2つご紹介。
▶行政に何かを期待してふるさと住民になってくれている人は少ない。むしろ、何か協力したい、役に立ちたい、と思っている人のほうが多い。そのことを前提として、ふるさと住民に対しての“行政サービス”という発想から離れて考える必要がある。
▶何より大事なのは、職員自身が「自分たちが楽しいと思うこと」。自分たちが楽しくないと、巻き込まれる人達には楽しさが伝わらない。楽しくできることで、長く続けていくための取り組みになる。
琴浦町の取り組みに、ぜひご注目ください。